イラク開戦

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 「世界中の希望を乗せてこの地球は回ってる」-。山南町の久下小学校の卒業式で、最後に全校生で合唱した「BELIEVE」という曲にじんときた。式が終わってまもなく、イラク開戦のニュース。自分にすぐ危険が迫っているというわけではないのに、緊張がおさまらなかった。 直後のテレビ演説でブッシュ大統領は、「解放と武装解除をめざす」「大量虐殺をする殺人者に対して戦う」「世界を守る」と大義名分を述べ、「勝利以外のものは受け入れない」とコメントしていた。政治上の複雑な絡みがあるのだろうとは思うが、個人的には身勝手で愚かな戦争という思いをぬぐい得ない。 西楽寺(柏原町)の滝川秀行住職から以前聞いた話をふと思い出した。アメリカの友人に「山を切り崩した時どう思うか」と尋ねたら「Win(勝利だ)」という返答で、滝川さんは「日本人なら『山もまた痛かろう』と考える」と言ったという。この話には、ブッシュ大統領のテレビ演説でのコメントと共通する考え方があるように思えた。 そんな中、外国語指導助手(ALT)をしているアメリカ人女性の言葉が引っかかっている。「アメリカでも多くの人が反対したのに政府が始めてしまった。自分の国が世界から愚かだと思われるのは嫌」。この戦争は、誰が望んだ戦争なのだろうか。(徳舛 純)

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