篠山市民会館が庁舎として改造される前に、文化団体で最後の発表会を開こうと計画しているという。それを聞き、篠山に住む若手芸術家の話を思い出した。彼は、作品を展示したいと思う場がなかなか地元にないと言い今、一番注目しているのは、篠山中学校だと言う。 現在、2004年4月の開校をめざして同校の新築工事が行われている。使われなくなった後の現在の校舎を、もし開放してもらえれば面白いことができそうだと目を輝かせていた。 丹南公民館の機能をもつ四季の森生涯学習センターがオープンすると、現在の丹南公民館もいずれ取り壊されるだろう。 市民会館をしのぶ文化団体の人たちと同様に、取り壊される前の施設で何か斬新なイベントができれば楽しいだろうと想像する。施設内の一つ一つの場所が、思い出と歴史を背景にした味のある発表の場になるだろう。建物を立体的なキャンバスと考え、好きなものを自由に描くワークショップを開いても面白そうだ。屋上を使ったコンサートや舞台発表があってもいい。 とても無責任な提案だが、古くなった建物は合併特例債にものを言わせて建て替えるだけでなく、市民の温かな気持ちをもう一度吹き込み、最後を見届けるのも悪くはない話だと思う。そこからまた、新しい文化が生まれるかもしれない。(芦田安生)