地域への愛着

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 さまざまな取材の中で、「村おこしにつなげたい」というセリフをたびたび耳にし、抱いていた疑問があった。「誰しもいつか地域のことを思うようになるのだろうか」というものだ。 元日号で、高校生と29歳以下の若手社会人それぞれ100人ずつにアンケートを行った。その中で、「これからも丹波に住みたいか」という設問では、高校生と社会人の間にはっきりと違いが現れた。高校生では「住みたくない」が約6割だったが、社会人は「住みたい」が約八割という開きが出たのだ。 「住みたくない」理由としては「田舎だから」「交通が不便」「おもしろくない」などで、自分の高校時代を思い返せば当然のような気もしたが、むしろ社会人男性から「住み続けたい」理由として「丹波を良くしたい」「地元のために働きたい」といった意見が多く挙がったのが興味深かった。 高校生と社会人の意識の差は何なのか。仕事や家庭を持ち、一生この土地で生きていくと決めた時、人は地域に愛着を抱くのだろうか。そしてこれまでとは違う見方が出てくるのだろうか。 若い世代の地域への関心が薄れていると感じていたが、アンケートを通じ、若者もいつか地域の担い手であることを自覚するのだと思え、何となくさわやかな気持ちになった。(徳舛 純)

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