炭とヒョウタン

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 暑い季節になり、車の中のにおいが気になり始めたので、カー用品店にすえ置き型の芳香剤を買いに行った。軽いアレルギー体質で、特に鼻や目が弱いため、あまり香りの強くないものを選んだつもりだったが、それでも数日間は車に乗ると目鼻がムズムズした。心理的な影響もあったとは思うが、「やはり化学合成品はあわない」と思った。 そんなわけで、車の中には、先日市島町の芦田正行住職を取材したときに頂いた、竹炭を一緒に置いている。消臭効果に加え、マイナスイオンによる「いやし」の効果もあるということなので、車だけでなく自室にも置いて効果を試している。 昔は燃料の一種でしかなかった竹炭が、消臭とリラクゼーションに作用するとは、なんと面白い巡り合わせだ。また、3年後の創立30周年に向けて氷上西高が作りはじめたミニヒョウタンも、その独特の形状からか、なでることで心が落ち着く効果があると聞いた。この話は初耳だったが、あのすべすべの手触りを思うと、リラックス効果があるのも分かる気もする。 炭にしてもヒョウタンにしても、かつては、それが心をいやすとは考えられていなかったろう。心をすり減らす時代になり、人がその処方せんを模索した末、古くから伝わる自然の産物がそれに応えてくれたのだ。「母なる大地」の懐は、やはり深い。(古西広祐)

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