米粉パン

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 篠山市が、4月から学校給食に地元のコメを使った「米粉パン」を導入する。試験的な例はあるが、本格的に導入するのは全国でも珍しいという。地産地消の推進が目的で、コメの消費拡大、さらには農業の活性化にもつながるのではと期待している。 市教委は、米飯5日も検討したが、PTAのアンケートによる子どもたちの反応は「パンも食べたい」だった。その点で「米粉パン」は、コメを食べさせたい大人と、パンが食べたい子どもたちの折衷案のようだ。 目の前に田んぼや畑が広がる環境で育った子どもたちが、地元で取れた野菜や、コメのおいしさを実感しないまま、コンビニのお弁当や、ファストフードに慣れてしまいがちだ。特定の食べ物にアレルギー反応を起こす児童が市内でも増えているといい、食生活と無関係とは言い難い。 また、地産地消や、米粉パンを成功させるためには、学校給食を支える地域の協力もいっそう必要になる。安全で、おいしいものを食べさせたいという思いを子どもたちに伝え、次世代へと引き継ぎたいものだ。 なぜ、米粉パンが導入されることになったのかを子どもたちや保護者自身が考えることで、環境、農業、食生活の問題などに関心をもつきっかけになり、教室から家庭へと意識が広がればと思う。(芦田安生)

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