説明と厳格な検討を

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 春日町が計画を進めている、春日インターチェンジ(IC)周辺活性化施設の構想が、施設整備検討委員会の中間報告によって、おぼろげながら形を帯びてきた。報告では、兵庫国体開催などによるPR効果を期待して、2006年4月に開業することが「重要」としている。今後、4年後のスタートを目標に計画は加速していくことになる。 しかし、財政状況のひっ迫を主な理由として、氷上郡六町の合併が論議されている今、「なぜこのタイミングで」との思いが、頭をよぎる。 報告にも、町を取り巻く財政事情に対する意識が読み取れる。冒頭で町の財政を「非常に厳しい」とした上で、今構想のような大型ハード事業について、「慎重に検討すべきことは論を待たない」と指摘している。施設整備の必要性を訴えるのは、その後、「しかしながら、」と論を継いだあとだ。財政状況のなか、まちの活性化への望みを事業に託す、検討委の切実な思いが伝わってくる。 合併論議が取りざたされるこの時期に、計画を進める町には、「なぜ今なのか」という説明とともに、事業についての厳格な検討および、シミュレーションが求められることになるだろう。関係者からは、「春日ICは、氷上郡の玄関口」との言葉がよく聞かれる。ならば、なおさら失敗は許されない。(古西広祐)

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