読者の皆様、はじめまして。私はこの春に丹波が好きで移住してきた新米記者。京都生まれで、最初の就職で東京、尼崎、埼玉、福岡と転々としてきた。結局、永住の地として丹波を選んだ。いわゆるIターン者である。なぜ丹波に来たのかよく聞かれる。それは、ひとことで言えば「落ち着く」からである。 人は幼少の頃経験した風景が原風景となり、大人になっても心の奥底に残るといわれている。私が子どもの頃の京都市内はまだ美しいやまなみや、思わず入りたくなるような川が身近にあった。今はビルが林立し大文字山も見えなくなった。親しみのある川も少なくなった。 出身地ではない地に移住することをIターンというが、私はなつかしい原風景に会うために、わたし(I)に戻る(ターン)ために丹波に来たのかもしれない。都心での忙しい生活環境からスローライフといわれる人間的な時間、空間での過ごし方に戻ろうとしたと思う。 子どもたちに、四季の訪れを身近に感じることのできる生命感あふれる原風景を心に残してやりたい。自分たちが享受してきた原風景を子どもたちに伝えることは、ごく当たり前のことと考える。その原風景は子どもの大切な財産である。みなさんの心に残る原風景はどんな丹波の風景ですか。(坂井謙介)