たんば田園交響ホールで二十一日に「丹波篠山童謡・唱歌まつり」という初めての催しが開かれる。「童謡と唱歌を歌うサークルを作り、参加してもらう」というユニークな内容で、企画運営母体は、昨秋発足した「日本の童謡・唱歌をひろめる会」。趣旨に賛同し、昨秋以降、篠山市内に九つ、丹波市内で二つのサークルができた。 仕掛け人として東奔西走しているのが、「篠山音楽推進会議」の西尾昭会長。地元酒造会社の会長で、昔の酒蔵を観光施設化し、コンサートを開くなど、新しいアイデアを繰り出して丹波の文化を牽引している。軽妙なトークが織り交ざった合唱指導も楽しい。 プロジェクトの始まりは、昨夏から病気療養中の河合隼雄元文化庁長官(篠山市出身)と、西尾さんらが「歌で日本を良くしよう」と意気投合したことがきっかけという。童謡唱歌祭開催は、河合元長官との約束だったそうだ。「音楽は特定の人だけが楽しむものじゃない。歌が生活の基盤にあることで、明るい社会をつくりたい」と熱い社会的使命を口にされたことに感動した。丹波篠山発祥の静かなブームに私も乗りたい気持ちだ。(徳舛 純)