林住期

2007.04.05
未―コラム記者ノート

 林住期(りんじゅうき)という言葉を最近聞いた。作家の五木寛之さんが、テレビの対談で話していた。50歳―75歳位をさすらしい。「人生を4つに分けたなかで、この期間が最も輝く時期」という。「子どものため、家族のために一生懸命に働いてきたが、これからはボランティア的な気持ちで働き、自分の楽しみを見出したい」と話した。いわば、いかに生きるかを真剣に考えられる時かもしれない。 世の中は、中高年がいきいきとして過ごせる雰囲気にあるのだろうか。役所などの異動をみていると、「一番経験を生かせるのに何故やめるの」と首をかしげたくなることもある。ある団体職員は「機械化によるスピード化が退職年齢を引き下げた」と話し、「退職後は女房に扶養してもらおうか」と言うと、一緒にいた会社員の奥さんが「こんな金遣いの荒い人よう扶養せんわ」とピシャリ。「男はつらいよ」。 行革と言い、退職の二文字をあぶり出すやり方はどうなのか。林住期という言葉が耳に残るのは自分がその年齢にいるからでもある。「面白きなき世を面白く」という言葉を思い浮かべながら、カラオケで、自己満足に酔いしれている。    (臼井 学)

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