神戸地裁柏原支部で開かれた、裁判員制度の説明会を取材した。市民から選ばれた「裁判員」が刑事裁判に参加する同制度は、2009年5月までの導入が決まっている。 主権者たる国民の意識をより裁判に反映するために、弁護士・検察官・裁判官ら専門家以外にも門戸を開くのが導入のねらいだ。裁判の報道に触れる際、「なぜ、こんな判決が出るのだろう」と感じることがある。導入には、そんな違和感の軽減が期待されている。 選挙権のある人は原則誰でも選ばれる可能性があるため、説明会では、参加者から「一般人に本当にできるのか」という意見も出た。これまで、多くの市民にとって司法は「遠い世界」だったため、不安は仕方ないだろう。法律で守られているとはいえ、「本当にトラブルに巻き込まれたりしないだろうか」とも思う。それでも、一般国民の裁判参加を実現することは評価したい。 この日の説明会の参加者は、約10人。昨年実施した説明会も同程度の参加数だったという。制度の意義を考えると寂しい数字だ。同支部は広報ビデオを無料で貸し出している。村の集会などで視聴してはいかがだろうか。(古西広祐)