同窓会の山

2007.06.11
未―コラム記者ノート

 上久下小学校(丹波市山南町)の3年生が今年度取り組む、「環境体験学習」を取材した。同小には、近くに同窓会が所有する2・7ヘクタールの山林がある。3年生はその山林で四季を通じて動植物の調査を行い、子どもたちなりの里山活用策を考えるという。 学校のすぐ近くに「同窓会の山」がある環境はとても面白いと感じた。同窓会長によると、大正時代から歴代同窓生が引き継いできたものだという。かつては広葉樹林で、食料調達のためのサツマイモ畑があったり、炭焼きもしていたという。真偽のほどは分からないが、「戦後、槍や鉄砲の供出を命じられた際、嫌がった村人が山に埋めた」という話も残る。こんな伝承がある山が近くにあることは、本当に素晴らしいと思う。 私が通った和田小学校には、校舎裏手に山を自然公園化した「校山園」があった。日常的に遊んでいたが、変な虫を見つけたり、落ち葉に埋もれて隠れんぼした楽しさは今でも覚えている。現在はヒノキが植林された上久下の「同窓会の山」には、里山として再整備する計画があるという。地域のシンボルとしてさらに輝きが増すことを楽しみにしたい。(古西広祐)

関連記事