支援に「サプライズ」を

2007.08.20
未―コラム記者ノート

 丹波市が月末に示すであろう県立柏原、柏原赤十字両病院の支援策に注目している。医師を増やすこと以上に大切なことはない。今いる医師にとどまってもらい、新たな医師を招へいするため、でき得る限りの支援を望む。 公が公立病院の経営を続ける困難さと将来への提言を綴った「公立病院の生き残りをかけて―地方公営企業法全部適用の検証―(兵庫県の4年間)」という本が、発行された。著者は、医師で、県健康福祉部長や県病院事業管理者を務め、兵庫県の医療行政の中枢に長く携わった後藤武氏。この中の「兵庫県の特性」という項を一部紹介する。 神戸と阪神南を除いた県内8つの医療圏の「人口10万人当たり医師数」は、青森県や秋田県に及ばない低水準で、兵庫県と隣接する府県は全て全国上位の水準にあり、「近畿地方でも兵庫県の状況は極めて特異」としている。氏はその要因を、人口比で見た時の県内医学部(神戸大、兵庫医大)定員の少なさなどにみている。 医師を集めにくい構造的な問題を兵庫県は抱えている。小さな支援では医師は集まらない。医師派遣元の大学教授や全国の医師に「サプライズ」と映る支援を。(足立智和)

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