兵庫医大篠山病院存続問題をめぐる篠山市と兵庫医大との協議が、10月以降に結論持ち越しとなった。めどとしていた「9月末」は流れたとはいえ、近く結論が出るだろう。 医大篠山病院は今、「なくてはならない病院」だ。誘致時の経緯にもとづく赤字負担の申し入れがあってから、何年間もそのままにしておいた市の対応はかなりまずかったと思うが、何とか存続が決まってほしい。 交渉の中身は当初から「支援額」にしぼられており、市が医大に一方的に「残留を頼む」立場で進んできた。決定権は常に医大が握っている。 ただ、市は医大が経営する病院を「市民病院的な」ものと位置づけたからこそ、建て替えや運営を支援するのだ。万が一「撤退」となった場合も、引き継いでくれる医療機関を探すそうなので、支援の問題は出るだろう。 これから市と病院との関係は「地域医療をお任せします」ではなく、「一緒に育てていきましょう」にならなければいけないと思う。そのためには、市職員の方も医療の内容について勉強し、医療機関との立場を対等にする努力が必要だろう。(徳舛 純)