上田副院長の講演

2007.11.05
未―コラム記者ノート

 6月に丹波新聞社が主催した地域医療フォーラムで講演頂いた上田康夫県立柏原病院副院長が11日午後4時からポップアップホールで開かれる県放射線技師会の学術大会で講演される。講演を聞いた関係者が講師依頼をされたそうだ。 フォーラムから4カ月が過ぎた今でも、「医療問題を考える原点になった」と、声をかけて頂く。フォーラムに参加されなかった方からも、「行っておけば良かった」と、言われる。上田副院長は、柏原病院が弱体化した最大の要因を、通常診療に加え、救急や時間外患者を24時間365日少ない医師数で診てきたことで、中堅医師が疲弊し病院を去ることになったと分析しておられる。 私自身、1年半ほど前までは、医師の過酷さ、不自由さというものを、全くと言っていいほど理解していなかった。しかし、柏原病院でたった一度医師の話を直接伺っただけで、これは尋常ではないと、目が覚めた。 ブラウン管の向こう側ではなく、我々が住むこの地域で起こっている現実、実話が語られる。抑制された語り口の奥には医療崩壊に直面する一医師の悲鳴にも似た叫びが潜んでいる。是非足を運ばれることをお勧めする。(足立智和)

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