黒大豆の不作

2007.12.06
未―コラム記者ノート

 「黒いダイヤ」といわれ、丹波篠山を代表する特産物の「丹波黒」が、不作だという。今年起きているのは白い縞模様が出る「裂皮(れっぴ)」の現象で、農家では「トラ豆」などと呼ばれている。枝豆の時には「大粒で出来がよい」とされていたが、皮肉にも粒が大きいものに多く出ているという。 岡山県などの他産地と比べて収穫時期が早い篠山産丹波黒は、大半が乾物用。お茶などに加工されるものとは違って、見た目の美しさが大事にされる。味や栄養分は変わらないといっても、「真っ黒」でなければ「価値」が下がってしまう。高価な「ブランド」だけに苦労も多い。 発生の原因は気象条件。収穫時期の遅れも含め、9月、10月の高温が要素の1つとみられている。気温が下がらないため、いったん固くなりかけた豆がまた成長し、皮が破れるという現象が起きてしまった。 栽培努力をしても収量が年々減ってきているという気になる話も聞いた。収量が減る原因がはっきりしないというのではどの方向に向かって改善したらよいのか分からない。いろいろな面から研究を進め、答えを探す必要があると思う。(徳舛 純)

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