中国製冷凍ギョーザに農薬成分が混入していた事件で、国じゅうが騒然としている。昨年来、老舗店などで「偽装表示」が相次ぎ、消費者が不信感をつのらせていただけに、流通や飲食業界も敏感にならざるを得なくなっている。▼ここで頭に入れておきたいのは、食料の国内自給率が4割にまで落ち込んでいるという現実だ。パンも味噌汁も焼きのりも、ルートをさかのぼると、きっとどこかの国に行きつく。▼「だから外国産原料でも仕方ない」と言いたいわけではない。「材料に至るまで原産地の明示」を求めるのは大事だが、それを気にするなら、国内自給率を少しでも挽回するための努力を、消費者が生産者を後押ししながらするべきではないか。「やっぱり国産」と言われる一方で、国内の酪農家は「飼料や燃料代が上がっても価格に転嫁できない」と嘆いている。▼食べる物は、作った人が見えるほど安心なのは当然。生産者が身近にいる丹波地域に限っての自給率は、多分4割より高いはずだ。丹波の消費者はこの利点を、もっと認識してほしい。▼そのために「地域自給率」の計算方法を開発し、「地産地消」を推進する目安にすればどうか。「健康、安全な地域」をPRすることもできる。ともあれ、地域の生産者にとって、大きなチャンスであることは間違いない。 (E)