篠山市内で「童謡・唱歌を歌うサークル」の輪が広がっている。先週には大山小学校区で100人規模の会が発足。来週には市の東部でまた別の会が設立を控えている。「日本の童謡・唱歌をひろめる会」の加盟サークルは、21にのぼり、総会員数は800人にも増大した。 「ひろめる会」は一昨年、文化庁長官を務めていた篠山市出身の故・河合隼雄さんと、篠山音楽協会長の西尾昭さんが「家族や地域の絆を取り戻すには唱歌を広めるのがよい」と意気投合。河合さんは亡くなられたが、運動の灯はふるさとで広がり続け、2度開かれた「童謡・唱歌まつり」も熱気にあふれていた。 なぜこんなに早く運動が浸透しているのか。大山の参加者の顔を見ていて「待っていたのだな」と思った。新しいことを始めたのではなく、もともとできたことをみんなで楽しんでいる。誰の表情も無理がなく、明るかった。 参加者の中心は60―70歳代。西尾さんたちのねらいである「3世代で歌う」までにはもう少し時間がかかりそうだが、この輪は丹波市でもさらに広がると思う。 (徳舛 純)