まだ合意ではない

2008.05.26
未―コラム記者ノート

 兵庫医大篠山病院の存続問題は、医大、篠山市、県との三者協議が大詰めを迎え、「存続」の結論まであと一歩まで来たように見える。「撤退」からのスタートだったが、支援金の内容ではほぼ合意が得られるまでになった。しかしこの段階に来て、医大側から新たな付帯条件が出てきており、まだ存続合意とは言い切れないという。 昨年10月末、三者協議で「基本協定書案」がいったんまとまったにもかかわらず、学内の賛同が得られず、今年2月に医大から「撤退もしくは支援額の上積み」という振り出し案が出されたという経緯もある。 三者協議には、県は副知事、市は市長、副市長とトップが顔を出しているが、医大は担当理事らが代表で出席。理事会や評議員会といった機関でしか決定できない仕組みになっている。三者協議の位置づけがあいまいなことが問題の決着を遅らせている。 「最近では、『本当は撤退したい』という医大の考えが見えてしまう」という市民の声を聞いた。交渉が長引くことで市民の気持ちが離れているとすれば、今後の関係に悪影響を与える。(徳舛 純)

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