化石、どう生かす

2008.06.19
未―コラム記者ノート

 篠山市内で発見された小型ほ乳類化石。記者会見には、多くの取材陣が訪れ、テレビ、新聞、ネットで一斉に大きく報道された。私たちも、化石のほか、地元で活動する人たちを取り上げた。 先日もこの欄で別の記者が書いていたように、篠山層群はすごい。恐竜からその足もとにいた生物までが出てくるのだから、当時の生態系を解明する上で、世界的な化石産地となる可能性がある。 だが、それは学術的な側面からの視点。記事を書くために、詳しく調べれば調べるほど、重要性がわかったのだが、一般市民は「ネズミみたいなやつやろ。恐竜ならいいのに」と話す人が多い。「丹波竜」と違い、なかなかとっつきにくいのが現状のようだ。 発見者の足立洌さんは、「子どもたちが、大自然の不思議さにふれるきっかけになれば」。そして「大きいからいいわけではない」と語る。小さな化石でも、悠久の時を想像するには、十分な要素になりえると思う。 市もいつか、何らかの反応をするだろう。みんなが関心をもてるように、どう生かしていくか、いい仕掛けを考えてほしい。  (森田靖久)

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