福知山成美高野球部の藤原コーチ(柏原)に聞く

2008.07.30
ニュース

 第90回全国高校野球選手権記念京都大会決勝で、 福知山成美が立命館宇治を8―2で下し、 2年ぶり3回目の甲子園出場を決めた。 その裏方として選手とともにグラウンドで汗を流しているのがコーチの藤原健太さん (26) =柏原町挙田。 1999年夏、 エースとして同校 (当時・福知山商業) を初の甲子園へと導き、 2006年夏に2度目の甲子園出場を果たした、 駒谷謙投手 (春日中出身) 率いるチームも指導した。 藤原コーチに指導者の目から見る今年のチームや、甲子園への思いを聞いた。 (芦田安生)

 ――甲子園を決めた今年のチームの特徴は。
  「駒谷投手がいた2年前のチームよりも、 攻守ともにレベルが高く、 バランスのとれたチーム。 2年前のチームは、 もともと不安材料が多かったけれど、 試合をするごとに強くなった。 今年のチームは最初から力があるだけに、 崩れた時が怖い。 監督は常々、 守備でリズムをつかむように言っていますが、 結果として先取点をとることでリラックスして波に乗るチームです」
 ――日ごろから選手を指導するうえで心がけていることは。
  「技術面では、 もともと自分が投手出身なので、 バッティングや守備の練習においても投手の目線から気づいたことを指導するようにしています。 対戦相手が左投手の場合は、 バッティングピッチャーを務めますが、 京都大会は左投手との対戦が少なく、 私の出番も少なかったのが少し残念です」
  「野球をする前に1人の人間です。 人にあいさつをする、 落ちているごみを拾うということを厳しく言います。 年上の先輩として、 自分が率先してグラウンド整備もやって見せて、 選手に気づかせるようにしています」
 ――自分の選手時代と今の選手との違いは。
  「自分たちのころと比べると部員数は倍になっている (124人)。 当然、 100人以上はベンチにすら入れないわけです。 でも、 厳しいレギュラー争いがあることは、 選手たちはみな覚悟して入部している。 それでもチームのためにできることはないかと熱心に応援の練習をする選手もいる。 自分ならベンチに入れない時点でくさっていると思うので、 『すごいな』 とこちらが勉強させられます」
 ――レギュラーと、 そうでない選手との違いは。
  「簡単に言ってしまえば、 試合で結果を残すか否かです。 結局は、 試合で結果を残すには日ごろの積み重ねなくしてはできないということです。 補欠メンバーの中にも打撃練習で柵越えを連発する選手はいます。 でもレギュラーにはなれない。 逆にレギュラーメンバーの打撃練習はライナー性の当たりが多く、 柵越えのような派手さがない。 それは試合を意識したバッティングを日ごろからしているから。 その差が試合で出るということだと思います」
 ――選手たちにアドバイスすることは。
  「前回のベスト8を目標におきつつ、 自分のありのままの姿を出してほしいと思っています。 自分も甲子園を経験していますが、 だからこそ、 あえて何も言わないつもりです。 どう感じるかは自分たち次第。 事前に人からとやかく言われると、 おもしろくないものです。 緊張も、 楽しさも自分なりに感じてほしい」
 ――指導者として甲子園の楽しみは。
  「今年は試合前の外野ノックをすることになっています。 甲子園のグラウンドに何年かぶりに立てるのも楽しみです。 2年前はできるだけ近くで試合を見たいと思い、 バックネット裏で見ていました。 今年は少し気持ちに余裕もできたので、 アルプス席で一緒に応援しようと思っています。 当時の仲間たちや関係者のみなさんも来てくれるはず。 同窓会に行くような気分で楽しみにしています」

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