メディアの問題点

2008.08.28
未―コラム記者ノート

 産科の崩壊、委縮医療をもたらした福島県立大野病院事件。被告の産婦人科医無罪の判決があった8月20日に、福島市内で開かれたシンポジウム「福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える」に参加した。事件を通し、医療崩壊を助長するメディアの問題に話が及ぶことを期待して足を延ばしたが、時間が足りず、論じられなかった。 が、メディアの立場でシンポジストを務めた医療情報誌「ロハスメディカル」発行人の川口恭さん(元朝日新聞記者)が、自身のブログで「雨傘番組」として、用意していた資料を公開している。自戒の思いを込め、紹介する。 「実はメディアに独自の調査能力はほとんどなく、誰かから教えてもらった話を右から左に流しているに過ぎない。その『誰か』が、既存のマスメディアは、ほとんど当局とニアイコール。『優秀な記者』とは、当局から情報をもらえる記者。当局と良好な関係でなければ大多数の記者は生きていけない。マスメディア自身もどうするのか問われているし、受け手の側も当局の発信する情報をニュースと思い込まされていないか、振り返る必要がある」。 (足立智和)

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