県組織の問題点

2008.08.11
未―コラム記者ノート

 県立柏原病院再生対策本部の同病院再生プラン発表の席でたずねた。「病院局と健康福祉部の見解は一致しているのか」と。県立病院の経営を担う県病院局(独立採算という名目の元、知事部局から分離している)と、地域の医療行政を担う知事部局の健康福祉部がある。両組織の考えが異なることがままある。 例えば、再生プランの中に盛り込まれた「県養成医師の確保」の項。県が学費などを出す代わりに、一定年限、知事が命じる医療機関で働く「養成医」が20人ほどいる。健康福祉部が養成医を握っており、何人かを県から柏原病院に派遣してもらおうと、病院局は考え、再生プランに盛り込んだ。 しかし、先日の細川裕平健康福祉部長への取材で、部長ははっきり「柏原には、養成医を送らない。対象外だ」と言った。健康福祉部の養成医派遣基準を満たしていない、というのがその理由だ。 同じ県組織の中で「送ってくれ」「送らない」と割れている。混乱しているのではない。同じ方向を向いていない、縦割りのミニ霞ヶ関。これが県の実態だ。「再生」できるのか。 (足立智和)

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