神戸大学医学部附属病院・杉村和朗院長に聞く

2008.09.22
丹波の地域医療特集

 循環型人材育成プログラム実施基本協定書に調印した杉村和朗神戸大学医学部附属病院長に話を聞いた。 (足立智和)

 ――2人欠員のままプログラムが始まった
  「外科は症例もあり、 手術などで貢献できる。 整形外科も手術はでき、 外傷対応ができる。 放射線科も画像診断などで他科のサポートができ、 他病院や開業医の手助けにもなり、 地域の診断レベルアップになる。 それぞれ使命があり、 成果は上がると考える。 今は不完全な形と考えていて、 週1回は大学で研修できるようにするなど改善し、 プログラムを良くしていきたい」
 ――内科医が求められているが
  「内科医の勤務医離れが起こっている。 加古川市民病院でも内科が短期間で15人から5人になるなど、 パニックが起こっており、 病院いくつ分もの内科医が大学医局からいなくなっている。 来年も、 厳しい。 地域で医師を集め、 地域で支える仕組みを作ってもらわないと、 『医者がいないから送ってくれ』 では成り立たない」
 ――県立柏原と柏原赤十字の統合話は話題にならなかったが
  「県病院局にはよく話をしており、 きょうは話をしなかった。 共に県知事がトップなのに、 動かないのは不思議。 大学は、 柏原地域に集まっている医師を 『1つにして』 と言い、 県は 『できない』 の平行線。 これでは、 そのうち医者がいなくなる。 プログラムの協議の話が始まった昨秋と比べ、 段違いに状況が悪くなっている。 参加者が5人そろっても、 起死回生にはなり得ない。 これは、 延命だ。 今何もしなければ、 来年3月につぶれかねない。 つなぎながら、 もう1回県に知恵を絞ってもらって、 何らかの形で柏原地域に内科、 外科をある一定数以上集めてほしい。 こちらも1歩踏み込む。 県ももう1歩、 2歩踏み込んでもらわないと、 次の展開がない。 その協議をしたい」

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