県立淡路病院や、淡路医師会、淡路島の3市などが開いた「救急医療シンポジウム」。5人が登壇したパネルディスカッションで、県立淡路病院外科部長で救急センター長の八田健人氏は、こう切り出した。「崩壊を防ぐために助けて下さい。今の本当の気持ちです」。 25人いた内科医は2006年度には、10人減って15人になった。淡路病院は、ここから後期研修医の養成に力を入れ、今は内科医が20人に回復。うち8人は、医師免許取得後3年目から5年目の後期研修医だ。自らの意志で赴任を決め、後期研修の3年間が過ぎた時、そのまま残留するか、別の病院に移るかも、自身が決める。「後期研修医の8人の行く所によって、淡路病院はまた崩壊するかもしれない。地方の基幹病院が生きるか死ぬかは研修医の動きにかかっているのが実態」と述べた。 病院の推進力は、若い力だ。自前で養成するのに必要なマンパワーは、すでに丹波から失われている。医局派遣も望み薄だ。誰も年を取る。現状維持すら長く続けられないことを現場の医師のほとんどは、理解している。「現状維持は、未来がない」のだ。(足立智和)