手の中の闇

2008.11.03
未―コラム記者ノート

 携帯電話、インターネットを利用した犯罪に、子どもたちが巻き込まれる事件が相次いだ。 教育委員会や各学校では、以前から携帯やネットの弊害を大きな課題として認識。さまざまな対策を講じてきた。それでも、原則学校での使用を禁止している以上、責任は基本的に家庭にある。 携帯は、契約台数1億台を突破し、間違いなく社会の必需品となっている。携帯を利用して様々な人、モノ、会社が動く時代で、すでに新しい文化と言っても過言ではないだろう。 急速に拡大した携帯と、規制の緩さの歪みとして生まれたのが、「出会い系サイト」や生徒間で誹謗(ひぼう)中傷をする「学校裏サイト」など、携帯を利用した犯罪や弊害。そうした歪みの被害に遭うのは、子どもたちが多い。 携帯を利用した犯罪の大半の容疑者は大人。子どもたちに情報モラルの問題を問う前に、私たちも再認識する必要がある。 いずれにせよ、携帯を握っている子どもたちの手には、便利さとともに、大きな闇が潜んでいることを忘れてはならない。    (森田靖久)

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