再生に挑む篠山

2008.12.03
丹波春秋

 篠山市の再生計画(本紙11月23日号)は身につまされる。一生懸命がんばっている市長は30%の減俸で、県内で最も低くなるとか。職員のボーナス・カットも、子供の教育費がかかる齢になるにつれ厳しく。▼議長交際費が「慶弔費対象を原則本人に」となったのは合理的に見えるが、削減額は年4万6千円。「経費のかからない運営方法がなければ休館」というチルドレンミュージアム、西紀運動公園など、いずれも良い施設なのに。▼同じ号の記事で、政府の「定額給付金」についてのトライやる記者、酒井雅子さんの取材に、酒井市長は「市はこれほどの再生計画を打ち出している。借金だらけの国なのに、国民を馬鹿にしている」と声を荒げたそうだ。実際、全国の自治体に1億円ずつ配った方がよほど役立つのでは。▼県がまとめた市町別の財政構造の指標(07年度)を見ると、合併時、「特例債」を見込んで箱ものを集中的に作った篠山ほどには、丹波市は悪くないが、と言って、決して対岸の火事視できるものではない。これからゴミ処理工場など大型投資が待ち受けており、よほど長期の見通しを持って取り組まなければ、後で悔むことになりかねない。▼血のにじむ努力をしようとしている篠山。よもや安易に考えてはいまい丹波市。10年、15年後に笑えるのは…。(E)

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