丹波市山南町上滝の丹波竜化石発見現場で、第3次発掘調査が始まった。1億数千万年前に地上を闊歩した生物の全容解明に向け、また一歩、足を踏み出したかっこうだ。 化石発見から、これまで掲載した記事を見返す時、発見状況はさることながら、注目すべきは、地元の活動だ。化石を観光資源として活用し、活性化を目指す動きを取り上げた記事は、膨大な量になる。 篠山市でもさまざまな化石が発見され、丹波地域全体が、日本有数の化石産地となる可能性は、極めて高い。そうなれば、丹波ブランドの地位は、さらに確固たるものになるだろう。夢はどんどん膨らむ。 だが、丹波地域全体で見る時、観光客は昨年に比べ、減少した。どんな超一級の資源でも、それを生かすには、地元だけでなく、他地域、県と連携し、観光客増へ向けた綿密な「戦略」が必要となる。 地元住民も市も、少しずつ戦略をつくり、展開しようとしている。それを軌道に乗せるのは、市民全員が「自分たちのまちの財産」と認識し、戦略を考えることが必要だ。 3次発掘を機に、各所で議論が行われることを期待したい。(森田靖久)