日本語を学ぶアジアの大学生を支援するNPO「アジアの新しい風」(上高子事務局長=丹波市出身)の会員としてベトナムを訪れ、ハノイの貿易大学で開かれたスピーチコンテストと交流会に参加した。▼同国でトップクラスの大学だそうだが、日本の高校より狭いキャンパスに4千人の学生がひしめく。筆者がメール交換しているトアンさんも含め、日本語学部の大半が女子。すごく純真、ひたむきで、小柄なこともあって高校生のように感じられた。▼日本語のレベルは率直に言って、以前訪れた北京の青華大に及ばなかったが、「あなたは(ものをはっきり言う)トマト? それとも(皮に包んで言う)スイカ?」など、面白い内容のものが少なくなかった。▼ベトナムは古くから中国の支配、19世紀に入ってフランスの植民地、そして近年はアメリカによる軍事介入と、侵略され続けた歴史を持つが、アメリカを追い出した「ベトナム戦争」の勝利は世界史上に耀く。▼日本も第2次大戦中に進駐した時期があったが、現在は援助、投資額とも第1位で、極めて受けが良い。ハー学部長が「(直近に被害を受けた)アメリカにはさほど悪感情は持たないが、(儒教や文字など文化の影響も大きく受けてきたはずの)中国を警戒する」という意味の話をしていたのが印象に残った。 (E)