私と市の財布

2009.03.02
未―コラム記者ノート

 2月26日号で、丹波市の新年度予算案を取材した。初めての予算取材の上、数字が苦手な私は、ついつい市の財政と自分の財布を置き換えて考えてしまう。 ひとりで暮している私は、毎月の給料で生活をやり繰りする。家賃、水道、食費など、絶対支払わなくてはならない生活費の割合が、予算でいうところの「経常収支比率」。私の場合、85%と言ったところか。残りの15%を貯蓄や遊興費などに充てる。借金はないので「公債費」はない。親からの仕送りにあたる「交付税」もない。「財政調整費」と言える貯金は、スズメの涙ほど…。 置き換えたものの、両者には決定的な違いがある。私の財布は、自分の稼いだお金。市の財政は、市民の税金。いうなれば、人のお金が入った財布を使い、その人たちのためにやり繰りするのが市の役割だ。何万人分ものお金を扱う以上、その職責が非常に重いのは言うまでもない。 新聞記者は監視者とも言われる。自分の財布を見る以上に、財政運営という市のやり繰りを厳しい視線でもって見つめていきたいと思う。 (森田靖久)

関連記事