定額給付金と貧困

2009.04.20
丹波春秋

 丹波でもいよいよ定額給付金の振り込みが始まる。給付金の使い道を思案している人は多かろう。我が家も同じ。結局は、大半が生活費に消えるかもしれないが、思案できる分、まだしも経済的に恵まれていると思う。使い道を考える余裕すらない人が少なくないと思うからだ。▼わが国で貧困層が拡大していることは各種データで明らかだ。働く人の3人に1人が非正規雇用といわれ、年収200万円以下の給与所得者が1000万人を超えている。国民健康保険の保険料未納は、全加入者の2割近くあるとされ、「無保険」の子どもは中学生以下だけで3万人を超えるという。▼日本のシングルマザーの就労率は約85%と先進国でもっとも高く、その平均年収は手当てや養育費を含めて200万円ほど。「オニギリ食いたい」という言葉を残して、北九州市の中年男性が餓死したのは2年前のことだが、2005年までの11年間に餓死した人は867人といわれ、およそ4日に1人が餓死している計算になる。▼OECD(経済協力開発機構)によれば、日本の「貧困率」は2005年で約27%。その20年前は12・5%だった。これは、経済格差が急激に進行し、貧困層の割合が増えたことを示している。▼あなたの家では、どのように定額給付金を使われますか。 (Y)

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