小児科を守る会の2年「おしゃべり救急箱」

2009.04.27
丹波の地域医療特集

 毎週金曜の夜、 携帯電話に配信するメールマガジンは、 4月24日発行で、 67号を数えた。 丹波市休日診療所の当番医と電話番号、 おでかけ情報、 時にはパンなどが割引になるクーポンもつく。 読者は400人超。 「医療ニュース的なことも載せた方が興味を持たれるのかもしれないけれど、 一番ほしいのは、 急病時の連絡先。 長文を携帯で読むのはしんどいし、 お知らせだけでいいと思う」。 古林麻子さん (34) は話す。 一時は、 ゆめタウンとコモーレ丹波の森に意見箱を置いていた。 「もっと声を聞きたい。 ママの近くにいたい」 と願っている。
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 市内の子育て学習センターや、 スポーツ施設を会場に開く 「ママのおしゃべり救急箱」。 守る会が 「母親に知ってほしい知識」 を、 幼い子どもを持つ母親に直接伝える手作りの講演会だ。 講演、 取材と 「外向き」 の活動に時間をとられ、 もやもやが募った時期があり、 もっと母親とつながろうと、 「ママ救」 を始めた。 子どもが小さいと遠出もできず、 講演会にも参加しづらい。 そんな自分たちの経験から、 「近くで、 知識を身につけられる」 講座は生まれた。
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 昨年度は、 10会場で開いた。 今の医療事情の説明や、 守る会の紹介、 クイズ、 親子で楽しめる紙芝居、 子どものお楽しみの缶バッジづくり…。「堅苦しい雰囲気にしたくない」 と試行錯誤を繰り返した。 説明後の座談会は、 不安や不満を直接聞けるまたとない機会だ。 聞いた意見を活動に生かす。
  「♯8000 (小児救急電話相談) がなかなかつながらない」 「夜、 救急に電話したら兵庫医大篠山病院を勧められたので行った」。 母親たちの意見にメンバーも懸命に答える。 「♯8000でつながらない時は、 固定電話の番号があるので、 そちらにかけて」 「水曜は篠山病院が、 水曜以外は柏原病院が小児二次救急の当番。 どちらかで診てもらえるので助かるね」
 市の保健師も力を貸してくれた。 医学的なことを聞かれても、 答えられず、 悩み事を聞いて持ち帰ることが多かったが、 その場で答えてくれる専門家の協力は大きかった。
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 2月10日、 青垣子育て学習センター。 「けいれんやゼーゼーという呼吸音などは携帯の動画で撮ってお医者さんに見せると、 治療方針がたてやすい」 「体温を測る前に脇の下をふかないと正確に測れない」。 市保健師の大槻秀美さんの話は、 参加者だけでなく、 メンバーにとっても目からウロコだった。 「すごくいい機会だなぁ。 こういう場ってホントに大事だな、 と感じる。 もっと早く知っておきたかったことがたくさん」。 「ママ救」 で説明役をすることが多い梅垣佳代さん (37) は言う。 5月のディナモ氷上体操教室から、 2年目の 「ママ救」 が始まる。

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