小児科を守る会の2年「3年目もゆるゆると」

2009.05.14
丹波の地域医療特集

  「今日初めて出会うメンバーもいると思うので、 自己紹介しましょう」。 設立2周年パーティーが10日、 ゆめタウンポップアップホール和室で開かれた。 20人のメンバー全員がそろったことは、 一度もない。 この日の参加者15人は、 過去最多。 子どもも合わせると40人ほどの大人数で、 にぎやかに節目を祝った。 仕事の都合で1年間活動に参加できなかった采女京子さん (33)、 足立公香さん (34) らも顔を出し、 休んでいる間にメンバーに加わった竹安理香さん (32) や蘆田佳子さん (36) らと共に食事を楽しんだ。
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 設立当初のメンバーが友人を誘い、 誘われて入会した人が別の友人を誘うなどし、 出入りを繰り返しながら人数を維持。
 神戸市出身の上田幼子さん (30) は、 「会に入ったことで知り合いができ、 子育て情報や地域の情報も入るようになった。 子どもの調子が悪かったり、 しんどい時は行かないし、 行かなくても何も言われない。 行ける時だけ行って、 手伝えることがあれば手伝っている感じ」 と話す。 神戸市出身の蘆田さんも 「テレビで見ていたので、 どんなすごい会かと構える部分もあったけれど、 入ってみると、 子育てサークルとほとんど同じ。 目的がはっきりしているので、 そこはちょっと違うかな」。
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 12日、 元朝日放送アナウンサーで、 現在はフリーランスの関根友実さんが、 取材に訪れた。 一女の母でもある関根さんは、 知人の小児科医から聞いた話を丹生裕子代表 (38) らに伝えた。 「事情が許さず、 今の病院を離れられないが、 働けるものなら柏原病院で働きたいと思っている小児科医はたくさんいる」。 関根さんは言う。 「これから、 もっともっと日本の医療はぎりぎりの状態になる。 守る会の物語の続きを、 私たちが伝えて行かないといけない。 発信者、 伝え手として、 守る会のやっていることを広めたい」。
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 外部の熱気とは対照的に、 メンバーは淡々としている。 「地域を守りたい、 という熱い思いのほかに、 何が必要ですか」。 質問されるたびに、 事務局の岩崎文香さん (34) は、 申し訳ない気持ちになる。 「期待されるほど崇高な思いがあって活動しているわけではないし、 これまでやってきたことも、 ほとんどが思いつき。 計画を立てても、 守れたためしがない。 『なんちゃって市民運動』 だし」。
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 1つだけ意識していることがある。 それは、 「がんばり過ぎないこと」。 ガチガチでなく、 ゆるゆる。 3年目は、 地元での活動にいっそう力を入れる。 今年度の 「ママのおしゃべり救急箱」 は20日、 ディナモ氷上体操教室 (氷上町市辺) から始まる。 (おわり・足立智和)

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