「すごい反響で電話が鳴りっぱなし。お昼を食べる暇もない」。「多紀連山のクリンソウを守る会」の事務局を受け持っているみたけ会館の石田美智子さん(70)が悲鳴を上げた。 本紙篠山版の1面トップにクリンソウ群生地の記事を掲載したからではない。13日の朝日新聞で1面にカラーで載ったために各地から問い合わせが殺到したのだ。13日は100件以上あり、広島や岡山、和歌山、鳥取など県外からも多くの電話があったという。 約4200平方?、7万本以上という国内でも有数の群生地は、一昨年6月、今年71歳を迎える篠山鳳鳴高校の同級生グループが偶然発見した。5年に一度の同窓会の翌日、「せっかくだから」と山登りをしたのが幸運につながった。「鳳鳴高校9回生が見つけたクリンソウや」。同級生たちは運命と責任感を感じたのかもしれない。市民にも呼びかけて「守る会」を作り、保護活動をしている。 「高齢なのでもう次は約束しないでおこう」と言っていた同窓会は、クリンソウを見るため2年あけずにあっさり開かれ、約40人が登山した。古希青年たちの物語の続きはいかに? (徳舛 純)