今年小学校4年生になった姪が言う。「嫌いな野菜あるから食べへん」。彼女が産声を上げてから、成長していく過程を見てきたつもりだったが、好き嫌いがいつの間にできたのか、少し驚いた。 仕事柄どうしても「食糧自給率って知ってる?」「生産者の気持ちになって」などと声をかけたくなるが、少し酷な気がしたので、「旦那さんにおいしい野菜料理作ってあげたいやろ」と諭すと、「結婚なんてまだ先の話や」。わが姪の方が一枚上手だった。 好き嫌いはどんなことでも起こりうる。食べ物、人間関係、勉強、スポーツ―。私にも好き嫌いはあるし、親世代にだってある。解決は延々と試みられてきただろうが、なかなかどうして難しい。 日本では人口減少、飽食の時代と言われるが、世界的に見れば、人口増加は続き、いずれ食糧難を迎える。世界の影響が丹波地域にも及ぶのは、原油高騰でも新型インフルエンザでも明白だ。 確実により困難な時代を支えていかなければならない子どもたち。願わくば好き嫌いをなくし、野菜でも何でも、好きになれる考え方を持ってほしいと思った。(森田靖久)