柏原病院に体験実習医学生ら12人 「学べる病院」をPR

2009.08.14
丹波の地域医療特集

 若手医師に病院を知ってもらおうと、 県立柏原病院 (大西祥男院長) で、 医学部5、 6回生と医師免許取得後5年程度の若手医師を対象にした初めての 「地域医療体験実習」 が行われている。 若手医師が勤務地を選ぶ際に最重要視する 「病院での教育体制」 を体験してもらうもの。7、8月中に4期にわたり、 12人が研修する。 県立柏原病院の小児科を守る会や丹波医療再生ネットワークも協力し、 院内外あげて若手医師の歓迎ムードを盛り上げている。
 同病院は、 10年ほど前までは症例も多く、 指導医も充実し、 研修病院として神戸大の関連病院の中でも内科を中心に人気があった。 しかし、 近年の医師不足で、 患者の診察で手いっぱいで、 教育に力を割く余裕が乏しくなり、 若手医師から敬遠される悪循環に陥っていた。 同病院の勤務医に20歳代は1人もおらず、 30歳代が6人、 40歳代が9人、 50歳代が6人と、 中堅・ベテランが多いため、 活気が失われており、 教育を充実させることが病院の再生につながると考えた神戸大が今春、 県と協定を結び、 大学から特命教授3人を同病院に派遣。 同病院の勤務医、 全国的に有名な 「医療を大切に使う」 地域と連携し、 若手医師に 「学びの環境」 を提供できる病院づくりに取り組み始めた。
 神戸大、 徳島大、 香川大、 鳥取大の医学生と、 聖マリアンナ医科大学病院 (川崎市) と神鋼加古川病院 (加古川市) で前期研修中 (医師免許取得後1、 2年目) の若手医師が応募した。 大西院長が、 同病院に医師を派遣している神戸大に募集チラシを送ったり、 前任地の研修医を誘ったり、 就職フェアで知り合った研修医に声をかけたほか、 「守る会」 で同病院の存在を知った県外の医学生が病院ホームページを見て受講を申し込んだ。
 実習は1泊2日。 青垣診療所の久保田孝則所長の訪問診療に同行する地域医療見学と、 神戸大の特命教授が直接指導する病院での研修、 夜には院長、 特命教授、 同病院勤務医、 守る会メンバーらとのバーベキュー、 希望者は丹波医療再生ネットワークの例会への参加など、 盛りだくさんの内容。
 5、 6の両日は、 いずれも5回生で将来は小児科医にと考えている松本真明さん (神戸大)、 石丸綾子さん (同)、 橋本典子さん (徳島大) の3人が実習。 消化器外科の味木徹夫教授から傷の縫合、 循環器内科の川合宏哉教授から心臓の超音波検査、 消化器内科の久津見弘教授から内視鏡検査、 同病院の上田康夫副院長から、 妊婦の栄養が胎児に与える影響についてそれぞれ指導を受けた。
 松本さんは、 「その場で教授から質問の答えがもらえ、 マンツーマンで指導してもらえた」 と、 少人数で実習を受けたメリットをあげ、 石丸さんは 「いなかの病院は設備も教育も整っていないと思ってきたけれど、 そうではなかった。 地域の人とつながりがあり、 大学とは違ったへき地医療の良さを感じた」 と感想。 橋本さんは、 「色んな科が休診になっているのをホームページで見て、 この病院は大丈夫かな、 と思いつつ参加したが、 大学とは違って患者との距離が近く、 地域の人も、 医療を支えようとしているのを感じた。 大学以上に魅力を感じる」 と話した。
 大西院長は、 「病院には若い医師が不可欠で、 若い医師が病院の活気の源泉。 いなかだが、 色んな先生が、 丁寧に教えてくれ、 基本的な診療能力を身に付けるのにいい環境が整っていることを若い医師、 医学生にアピールしたい」 と意欲を燃やしている。

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