日赤ボランティア1年 「ありがとう」励みに

2009.09.28
丹波の地域医療特集

 丹波市連合婦人会 (市地区赤十字奉仕団=荻野美代子会長) が柏原赤十字病院 (玉田文彦院長) で週3回、 実施しているボランティア活動が10月で丸1年を迎える。 26日には丹波の森公苑で、 会員と病院側とが、 より長く活動を継続するための方向性や課題について意見交換する会を開いた。 荻野会長は 「用事ができれば代わりを頼み、 無理しないようにやってきた。 患者さんの 『ありがとう』 が励み。 これからも患者さんの身になったボランティアをしていきたい」 と意気込んでいる。
 3―4人でローテーションを組み、 患者の各窓口への案内、 車いすでの移動介助、 玄関入口の植木の手入れ、 リハビリの手伝いなどを行っている。
 ボランティアを申し出た昨年9月には、 院長を含め、 内科医が6人に増員されたばかりだったが、 「院内にはまだ患者の姿も少なく、 大丈夫だろうかと心配した」 と荻野会長。 院内の雰囲気が明るくなってきていることがうれしいという。
 最初のころは、 何をすればよいか分からず、 戸惑いもあったが、 次第に自分にできる仕事を見つけ、 主体的に動けるようになった。 ボランティアがきっかけで自分の健康にも関心を持つようになり、 検診を受ける会員も増えているという。
 患者への言葉遣いや私語、 個人情報の保護、 自身の健康管理―など、 病院という施設の性格上、 注意すべき点は多い。 ある会員は 「明るいあいさつや声かけは大事だが、 話しすぎると私語になる」 と苦笑い。 会員の田原みきゑさん (62) =柏原町挙田=は 「私たちは50―70歳で、 すぐに体力に限界がくる。 神戸が震災を語り継いでいるように、 若い人たちにどうつなげていくかが課題」 と話す。
 同病院の雛倉恵美看護部長は、 「診察を受ける患者の看護という本来の業務に専念できるようになった」 と笑顔。 これまでは、 診察を終えた患者をリハビリ室に移動させるなどの間、 診察室に看護師がいないという状況があった。 「ロビーに立ってもらっているだけで、 患者さんにとっては見守りになり、 安心感につながっている。 我々看護師よりも身近な存在になっているのでは」 と感謝していた。   (芦田安生)

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