秋の叙勲受章者の取材で、意外な再会があった。受賞者リストには、篠山市東沢田在住の大学名誉教授(80歳)とある。薬学部で多くの薬剤師を育てる一方、微生物がつくる抗生物質をテーマに研究されてきたらしい。やや緊張して訪ねた。 はて、どこかで見覚えのある穏やかな笑顔…。実は、昨年の「第1回黒まめ検定」で筆記、定植、収穫の各試験の合計で最高得点をおさめ、「丹波篠山黒まめ大使」に認定された方だった。何と、国際的な研究者だったとは…!篠山には4年ほど前にIターン。市民センター図書コーナーのボランティアもしているそうで、地元にどっぷりだ。丹波人の人柄について「出身者と付き合うなかで、素朴で勤勉、温かみがあり、本当に社会を支えている人間が多いと感じていた」と信頼を口にされた。ただ、「自然と接するチャンスが多く、生きる上で非常に恵まれた環境にあるのに、気が付いていない気がする」とも。「特に子どもの教育は田舎の方が絶対いい」と話しておられた。懐の深さに甘えて、もっとお話を伺いたいと思った。 (徳舛 純)