柏原病院に4月から2人研修希望 4月から2人研修希望

2010.01.10
丹波の地域医療特集

 県立柏原病院の大西祥男院長は、 今春に医学部を卒業見込みの2人が、 4月から同病院で初期臨床研修医 (研修期間2年) として勤務を希望していること、 4月から医師1人を招へいし、 内科の中に新たに総合診療部門を設けること、 2月から呼吸器外来を毎週2日に増やすことなど、 当面の診療体制を明らかにした。 常勤医数が大きく増えることはないと見込み、 「医師を増やす妙案はない。 地道に若い医師の教育に力を注ぎ、病院再生につなげる」 との考えを示した。
 初期研修医は、 男女各1人ずつ。 国家試験合格のハードルをクリアすれば、 4月から2年間の研修に入り、 内科、 救急、 地域医療などを学ぶ。 他の病院の研修医が、 短期的に同病院で研修することはあるが、 同病院を中心にした研修医は、 ここ2年途絶えており、 実現すれば3年ぶりとなる。
 昨年秋に始まった神戸大学医学部附属病院研修医の毎月1人ずつ1カ月交代での研修も、 4月以降も継続される見通し。 また、 前期研修の2年間を、 同附属病院と他の病院を1年ずつたすき掛けにする研修医や、 他の県立病院で研修中の研修医も受け入れたい意向で、 研修医がより勉強しやすくなるようインターネット文献検索など、 教育環境整備に力を注ぐ。
 また、 同附属病院から1人を迎えて総合内科を立ち上げ、 既存の循環器、 消化器内科と合わせて内科充実を目指す。 手狭になっている内視鏡室を移設・拡大し、 「消化器内視鏡センター (仮称)」 とし、 予約、 検査から治療までスムーズに行えるよう体制を整える。 心臓の診療に役に立つマルチスライスCTを導入し、 循環器内科の治療に役立てる。
 がん診療の充実への一歩として、 2月から、 県立がんセンターから毎週医師1人の派遣を受け、 現在週1回の呼吸器外来を2回に拡大。
 来年度中に電子カルテを導入し、 医師が技師や看護師に電子指示するオーダリングシステムも更新し、 院内の情報共有の強化に努める。
 大西院長は、 「基本的なことを丁寧に、 きめ細かく教え、 『地力がつく研修』を提供する。 指導医だけでなく、 技師ら病院職員全体、 地域全体で医師を育てていきたい」 と話している。
 同病院には昨年4月から、 同附属病院から週1回、 内科の特命教授2人、 特命講師1人、 外科の特命教授1人が訪れ、 外来診療を担うと共に医学生や研修医の指導にあたっている。 循環器内科が専門の大西院長も心電図の見方などを教えている。 同病院勤務医の年齢構成は、 中堅・ベテランに傾っており、 20歳代、 30歳代の医師招へいが課題になっている。

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