「大きな話」と「小さな話」

2010.02.15
未―コラム記者ノート

 「地域医療を守ろう」といったイベントに声をかけてもらっている。2月が沖縄と岡山。3月は、石川、長野、大分、熊本、福井、北海道。全国津々浦々、医療崩壊進行中である。 市民が、考え方を変えようという話なので、「行政が言いにくい事を、代わりに言う役どころ」と、自嘲している。 「刺激を受けた」と、自分たちにできる運動を始めた人を見てきた。ただ、市民が運動をすれば、医療が守れるかと問われると、「ノー」と言わざるを得ない。「大きな話」と「小さな話」がある。病院の統合、再編など、医療資源の最適化が「大きな話」、節度ある受診をしよう、と注意することが「小さな話」だ。両方そろうことが、「必要十分条件」だ。 丹波は、「小さな話」は、住民こぞって、全国に冠たる取り組みができていると断言できる。しかし、「大きな話」が抜け落ちている。「大きな話」をすべき人間が、全てを「小さい話」に収斂(しゅうれん)させようとしているようにすら感じている。最たるものが、県がこしらえた「医療を守る丹波会議」だ。「大きな話」を避け続ける限り、医療再生はない。(足立智和)

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