松茸再生目指す者たち

2010.03.11
未―コラム記者ノート

 マツタケ再生に取り組んでいる篠山市商工会青年部篠山支部が、マツタケ菌の人工接種を行うということで、山中へ取材に出掛けた。  これまで同支部のメンバーたちは、林床に陰を作る常緑樹を適度に除伐し、腐葉土を除去するなど、マツタケの発生しやすい環境づくりに精を出してきた。今回の人工接種は、そのマツタケ施業地のマツの根に、培養したマツタケ菌を植え付けるという作業。この方法を考案した研究者の伊藤武さんも現場に駆けつけ、「若者がマツタケに関心を持ってくれることは、次世代にこの活動がつながることになるのでありがたい」と笑顔で指導にあたっていた。この日はあいにくの雨模様で、足場がぬかるむ急斜面での作業となったが、メンバーたちは、新しい試みへの期待感からか、皆一様にどこか楽しげ。 国をあげて約40年間、マツタケ人工栽培の研究を続けているが、いまだ成功はない。もちろんこの青年部の取り組みが、世界初の成功事例となることを願いたいが、それよりも、ひとつの目標に向かって懸命に取り組んでいるみんなの姿が、私にはうらやましく見えた。   (太治庄三)

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