いのちの山河

2010.04.26
未―コラム記者ノート

 映画「いのちの山河」の試写会が22日、ゆめタウンポップアップホールで開かれた。物語の舞台の岩手県沢内村(現・西和賀町)は、映画の主人公・深沢晟雄村長のもと、「高齢者と乳児の医療費無料化」「乳児死亡率0%」などを全国で初めて実現したことで有名。映画を通し半世紀も前の「史実」の背景が学べた。 特別豪雪地帯の貧しい村で、お金がないため医者にかかれず、死亡診断書を書いてもらう段になって初めて医者に診てもらうといった悲惨な村。そこから医療を充実させ、健康を増進させた過程が描かれている訳だが、リーダーたる村長のあり様に興味をそそられた。 「対話と行脚」と題して、人口6000人の村を回りに回った。女性を集め婦人会を立ち上げ、副収入にとナメコ栽培を呼びかける。除雪費用をねん出する際も半分は村民から寄付を募った。「医療の人」というイメージから、「市民との協働の人」と、見方が変わった。村長は、村民をやる気にさせた。指導的立場にある人の参考になるのでは。上映会は6月15日、春日文化ホールで。午後2時からと午後7時から。(足立智和)

関連記事