堂々と議論を

2010.05.01
未―コラム記者ノート

 京都・瑞穂町(現・京丹波町)にある明俊小学校。よく遊び、よく笑い、よく泣いた私の母校である。思い出の詰まった学びやは来春、他校との統合に伴って廃校となる。 瑞穂町では、丹波地域よりもさらに少子化が進行しており、2学年どころか、3学年が同じ教室で学ぶ、複・複式学級が行われているのが現状。是々非々あったが、ついに統合に至った。 篠山市では、この春から3小学校が統合し、丹波市でも小、中学校の「適正配置」が検討されている。子どもたちの教育環境の変化は、今まさに大きな動きの中にある。 「学校の統合」と聞けば、住民にはさびしい思いがよぎる。当然、中には声を上げて反対する人もいるだろう。一方、実行に移す行政は「デリケートな問題」と声を潜めがちになるのもわかる。 ただ、共通認識として、「子どもたちのため」という当たり前の考えを忘れずに。そして、大切なことは双方が堂々と大いに議論することだ。 将来に禍根を残すとすれば、統合したことよりも、議論が十分になされなかったことのほうでは、と思うのは私だけだろうか。 (森田靖久)

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