フナを使って米作り 篠山のNPO

2010.07.23
ニュース

 アイガモ農法ならぬフナ農法で米づくり―。 篠山市草ノ上の古民家を拠点に、 子育て支援や子どもの健全育成活動を展開しているNPO 「たまごママネット」 (新井一令理事長) が17日、 フナを利用した無農薬有機農法に挑戦しようと、 同市細工所の水田にフナの稚魚を放流した。 同ネットの会員や地域の親子約10人が参加した。 新井さんは 「安全な米づくりを目指した有機農法の実験として行った。 うまくいけば、 このフナ農法の輪を広げていきたい」 と話している。
 フナ農法は、 ▽稚魚がえさとして、 水田の雑草や害虫を食べるので、 除草剤や殺虫剤を散布する必要がない▽泳ぎ回ることで泥がかくはんされ、 稲の生育を促す効果がある▽フナの糞が肥料になる―などの効果を狙った無農薬有機農法という。 また、 田んぼの中で大きく育ったフナは捕獲し、 甘露煮などに調理して食べる予定。
 新井さんは 「子どもたちに自然とのふれあいの中から、 食や命の大切さを学んでもらいたい」 と、 有機農法を探っていたところ、 フナの生態を利用して米づくりに取り組んでいる長野県佐久市の 「ふな米」 の存在を知った。 このことを知人で、 農場経営をしている粟野勝浩さん (細工所) に話したところ、 「おもしろそう、 一度やってみよう」 と共感を得た。 新井さんはさっそく、 佐久市のJAからフナの稚魚を購入。 粟野さんの水田 (約3アール) に2000匹を放流した。

関連記事