司書さんとの距離

2010.07.15
未―コラム記者ノート

 山南図書館と久下小学校の保護者が協力し、3―6年生の各教室につくっているお母さん文庫を取材した。5年前から始まった保護者の読み聞かせ活動が土台となり、2週間ごとに35―40冊を入れ替える「文庫」につながった。 タイムリーな本が配達されれば、子どもたちも興味が持てる。また「お母さん」たちも選んでくれた本ということになれば、距離もぐっと縮まるだろう。 また以前、別の図書館のボランティアから「小学校には司書がいないので、図書室の本をうまく活用できていないのが気になる」と聞いたことがある。こうした点からも、図書館と学校をつなぐ「文庫」は、上手にプロの力を借りるすばらしい取り組みだと思う。 文庫から話は変わるが、山南図書館の予約数は他の館に比べても多いらしい。司書の松本さんは「山南の人は意欲が高い」とおっしゃっていたが、「本館などに比べて蔵書の数が少ないのがコンプレックスなので、いい本があれば来館者にどんどん薦めている」という松本さんたちの姿勢も関係しているのではと思った。司書と利用者の距離が近い図書館だ。    (古西 純)

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