陶芸家 由良利枝子さん

2010.09.09
たんばのひと

郷里と行き来し制作
(ゆら・りえこ)つくば市在住

 1951年 (昭和26) 丹波市氷上町生まれ。 柏原高、 京都市立芸大日本画科卒。 朝日陶芸展、 日本陶芸展などで受賞。

 陶芸では旧姓を使い、 本名は夫の姓の青木。 両方の姓を書いた表札がかかっている。 居間、 棚、 廊下。 家のあらゆる空間が作品であふれている。
 6月に「水の化石」と名付けた個展を開いた。 波や、 水しぶきのイメージを表現。 繊細さと形の面白さがよくマッチしている。 「丹波での子供時代に見たものや、 自然に触れて得た感覚が制作のヒントになっていると思います」。
 4姉妹の2番目に生まれ、 「ピアノより絵が好き」 と、 小学校5年生からバスで、 柏原の山本茂斗萌先生の絵画教室へ通った。
 大学では日本画を選び、 卒業後は高校の美術講師や幼稚園の絵画教室講師など。 結婚後、 夫の転勤でつくば市へ引っ越した際、 近所から頼まれ、 子供向けの絵画教室を開講。 評判を呼び、 自宅や公民館、 集会所で約25年間、 延べ100人以上を教える。 「自分の気持ちを自由に表現できる楽しさで、 生き生きとしている子供たちを見ていると、 私も生きがいを感じることが出来た」。
 筑波大学の公開講座で受けた陶芸にのめり込み、 手ほどきを受けた後は、 ほぼ独学で習得。 1993年に女流陶芸公募展で毎日放送賞を受賞。 その後も個展、 グループ展、 公募展で様々の作品を発表し、 毎年のように受賞。 公開講座や陶芸教室の講師も務める。
 柏原高校の先輩で筑波大に勤めていた夫の保夫氏のUターンに備えて2年前、 春日町黒井に購入してあった家を改築。 今は夫と共につくばと丹波を行き来しながら、 果樹や野菜を栽培。 アトリエはどちらの家にもあり、 「何ものにも邪魔されずに制作ができる時が幸せ」。
 夫婦同郷のお陰で、 セカンドライフへの移行はうまく行ったようだ。 「娘夫婦も孫たちを連れてよく帰って来てくれ、 バーベキューを楽しみますよ」。 (上 高子)

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