ワライタケ大発生

2010.10.20
未―コラム記者ノート

 神社の森で奇妙なキノコが大発生―、という取材依頼を受けて、今田町釜屋集落へ。出迎えていただいた依頼主の溝端さんは、開口一番「食べたら笑いが止まらんようになるワライタケやで。すごい数やで」とニヤリッ。 現場は山の斜面に立つ大きな石灯ろうの裏。落ち葉が積もって暗く沈んだ褐色の林床に、「これでもか!」というほど鮮やかな黄金色したキノコが数カ所、株立ちして生えていた。大きい株では、傘の直径1―5センチほどの小さなキノコが100本ほど集まり、その塊は直径35センチを超えていた。キノコの名は「オオワライタケ」。図鑑によれば、「食べると、命にはかかわらないが興奮のため狂ったようになる」とあった。ぜひ一度誰かに食べさせて、その症状をこの目で見てみたい、とよからぬ思いが脳裏をかすめた。 4年前、この場所に突如として現れてから、毎年見られるそう。今年はキノコの成長時期に雨が少ないとのことで、この規模でも例年の3分の1程度だという。「雨が降れば、まだまだ大きくなるで」と溝端さん。次の雨上がりに、もう一度このキノコを訪ねてみることにしよう。(太治庄三)

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