先日開かれた篠山青年会議所主催の「高校生会議」でコーディネーターを務めた。ふるさとに対する高校生の率直な思いを引き出す会議で、篠山市内の高校3年生ら9人に質問を投げかけた。▼自身の高校時代を顧みて、都会へのあこがれ、田舎への拒否感などが出てくるのではと予想していたのだが、見事に外れた。「人のぬくもりがある」「自然が美しい」「空気がきれい」などを理由に、高校生たちはそろって「篠山が好きだ」と答えた。愛郷心のある高校生たちだった。▼これが現代の高校生気質だとは思わないが、私たちの高校時代とは変わっていると感じた。なぜ変わったのか。高校生に自己分析してもらったところ、小中学校での総合学習を指摘する生徒がいた。郷土について学び、そのすばらしさに気づく総合学習を通して、篠山が好きになったというのだ。▼私たちの時代には総合学習はなかった。ふるさとについて学ぶ機会はごく限られていた。しかし今の子どもたちは、自分の住む地域を知り、地域の人と交流する機会が多くある。これが愛郷心を養う一つになっているようだ。▼丹波地域の人口減少を食い止めるには、地元で暮らすことを選ぶ若者が増えなければいけない。そのためには愛郷心を養う教育は有効であると思った高校生会議だった。(Y)