文化庁国際課長 大路正浩さん

2011.02.03
たんばのひと

「クールジャパン」発信

(おおじ まさひろ)東京都在住

 1964年 (昭和39) 篠山市今福生まれ。 篠山鳳鳴高校、 上智大学外国語学部卒業。 87年文部省 (現文部科学省) 入省。 米国滞在5年。 この間ピッツバーグ大学大学院社会学専攻修了。 長崎県、 千葉県にも勤務。

  「クールジャパン」 というキーワードで、 日本文化の格好良さを海外へ発信。 国際著作権の分野にも関わり、 海賊版に目を光らせて知的財産を守りながら日本文化のブランド価値を高めるのが仕事だ。

  「韓国が 『韓流』 を流行らせたように、 アニメや漫画やファッションなど、 日本のポップカルチャーでビジネス界が収益を上げられるようにしたい」。 海外の若者を惹きつける日本のポップカルチャーを生み出す背景にある、 「繊細で、 きめ細かい伝統文化の質の高さ」 を海外に広め、 「ガラパゴス (特異な生物的進化をした島) と呼ばれる日本の文化コンテンツ産業の世界展開を後押ししたいのです」。

 これまで、 国内・海外の学校教育ほかさまざまな仕事をしてきたが、 「その時々、 与えられたことをきちんとやってきて、 その一つひとつが今の自分につながっている」。 一番印象に残っている仕事は、 高等教育局学生課大学入試室長の時、 「大学入試センター試験に、 英語のリスニングを導入したこと」。 内外の懸念を払しょくし、 反対を説得して、 「道筋をつけたと自負しています。 仕事の充実感を味わいました」。

 今の日本の最たる問題点は、 国内と国際の仕事が分断されていることと感じている。 「日本の市場規模が、 さまざまなことがらを、 国内で完結することを可能にしてきました。 しかし、 内向きな社会ではもはや日本は生き残れない」 と改革の必要性を説く。

 官僚のイメージとはかけ離れた笑顔。 「相手の話をよく聞いて、 その胸のうちを読むよう努めています」。

 幼少のころ、 「外への憧れが強く、 長男だけど、 丹波を早く出たかった。 郷里に残った弟には頭が上がりませんが」 と、 またニコニコ。(上 高子)

 

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