お盆も過ぎ、田んぼの稲穂が黄金色に向けて一気に色づき始めた。早いところでは、間もなく稲刈りが始まる―。
福島原発事故の影響で、「今年の米は大丈夫なのか」と心配する声とともに、昨年収穫した古米の価格が急上昇するという事態が起こっている。これら国民の不安を払拭しようと、国は今月、収穫した米の調査体制を発表。主食であるがゆえ、ほかの食品にはない厳しいものになっており、収穫の1週間前の予備調査と収穫後の本調査の2回を義務付けている。調査対象地域は福島県を中心とした14都県のうち、土1キロあたり1000ベクレル以上もしくは、大気中の放射線量率が毎時0・1シーベルトを超える市町村。兵庫県はもちろん対象外地域であるが、県は「安全安心を確かなものに」と、丹波地域では9月から調査を開始する。
わが家も9月上旬から収穫に入る。田んぼでは、たわわに実った稲穂が、重たそうに風に揺れている。この光景は福島も丹波も何ら変わりはないはず。原発被害地域を思うとき、こうして今年も無事に収穫ができる有り難さを強く感じる。不謹慎かもしれないが。(太治庄三)