大型の台風15号が、去った。国道176号柏原バイパスの冠水の原因となる「柏原排特」は、今回はあふれず、ひと月で2度床上浸水という事態は免れた。
丹波市は、9月3、4日の12号台風で水があふれた場所に仮設ポンプを設置し、ホースで排特から柏原川に水をくみ出す「対策」を講じた。講じたが、効果の程度は、検証のしようがない。排特の流量も、ポンプの処理能力も分からず、排出水量が計算できないからだ。ポンプの数も、市が指定した訳ではなく、業者に任せたら5基が集まり、設置された「出たとこ勝負」だった。
災害対応が、「出たとこ勝負」にならざるを得ないのは理解できる。想定を超えるのが天災だからだ。ただ、今回のように問題個所と分かっている所については、市がデータを集めるのが「対策」の一歩ではないかとも思う。想定がなくては話が始まらない。
今回の市の対応は、今できうる精一杯の努力をしたと評価する。対策本部の職員も張り付きっぱなしで疲れている。骨休めをして、次への備えに動き出してほしい。(足立智和)